この記事の情報は2026年4月時点のものです。 検証に使用したAI:ChatGPT(GPT-5.4)、Claude(Sonnet 4.6)、Perplexity
看護師の仕事はAIに奪われない——これは記事46でも書いた通りです。
ただ、 AIを使いこなせる看護師と使えない看護師の差は、確実に開き始めています 。
看護記録に毎日1〜2時間かけている方、夜勤明けに疲れた頭で申し送りをまとめている方、勉強したいのに時間が取れない方——これらはすべてAIで解決できる課題です。
この記事では、看護師がAIを使って業務を効率化する方法を、5つの場面別にコピペで使えるプロンプト例つきで解説します。
まず結論:看護師がAIを使うべき5つの場面
場面①:看護記録(SOAP) → ChatGPT。観察内容を箇条書きで渡すだけでSOAP形式の下書きが完成
場面②:申し送り → ChatGPT。患者の経過ポイントを入力すると、要約された申し送り文を生成
場面③:患者説明資料 → ChatGPT / Claude。説明文の難易度を患者の年齢や理解度に合わせて調整
場面④:医療知識の学習 → ChatGPT / Perplexity。疾患・薬剤・看護技術の要点整理や学習計画の作成
場面⑤:勤務表・シフト関連の整理 → ChatGPT。希望シフトの整理、引き継ぎメモの作成
迷ったらまずChatGPTから。
無料で使えて、5場面中4場面をカバーできます 📝
場面①:看護記録(SOAP形式)——毎日の記録時間を半分にする

看護師の課題
看護記録はSOAP形式(S:主観的データ、O:客観的データ、A:アセスメント、P:計画)で書く必要があり、 特に新人看護師にとっては論理的に書き分けるのが大きな負担 です。
日本看護協会の調査でも、看護師の約7割が「業務量が多すぎる」と感じており、記録業務が主な負担源とされています。
AIで何ができるか
ChatGPTに 患者の観察内容を箇条書きで入力するだけ で、SOAP形式に整理された看護記録の下書きが返ってきます。
コピペで使えるプロンプト
以下の観察内容をSOAP形式の看護記録に整理してください。
S(主観的データ):患者の訴えや発言
O(客観的データ):バイタルサイン、観察所見
A(アセスメント):S・Oから考えられる問題点
P(計画):今後の看護計画
観察内容:
- 〔例:「お腹が張る感じがする」と訴えあり〕
- 〔例:体温36.8℃、血圧130/82、腹部膨満あり、腸蠕動音やや減弱〕
- 〔例:昨日から排便なし、水分摂取量やや少ない〕
※患者名は入力しないでください(「A氏」「70代男性」等で記載)
ポイント
実際にAIを使って看護記録の業務時間を 58%削減 した医療機関の事例も報告されています。
AIが作った下書きは 必ず看護師の目で確認し、修正してから 電子カルテに入力してください。
AIはあくまで「下書き」を作るツールです ✍️
場面②:申し送り——夜勤明けの要約を数分で完成させる
看護師の課題
複数の患者の情報を短時間でまとめる申し送りは、 特に夜勤明けの疲れた頭にはつらい業務 。
口頭での引き継ぎでは伝え漏れが起きやすく、インシデントの原因にもなります。
AIで何ができるか
ChatGPTに 各患者の経過ポイントを箇条書きで入力するだけ で、申し送りに適した要約文が返ってきます。
コピペで使えるプロンプト
以下の患者情報を、申し送り用に簡潔にまとめてください。
各患者ごとに「状態の変化」「注意事項」「次勤務帯での確認事項」の3点で整理してください。
患者A(70代男性):
- 〔経過ポイントを箇条書きで〕
患者B(50代女性):
- 〔経過ポイントを箇条書きで〕
※患者名・カルテ番号は入力しないでください
ポイント
2026年2月には、大阪病院が富士通Japanと連携して 看護申し送りの業務に生成AIを導入する プロジェクトを開始しています。
個人のChatGPT活用だけでなく、組織としてのAI導入も医療現場で進み始めている段階です。
場面③:患者説明資料——難しい医療情報をわかりやすく変換する
看護師の課題
患者向けの説明資料(退院指導、服薬指導、検査説明など)は、 患者の年齢や理解度に合わせて文章の難易度を調整する必要 があります。
高齢者向けにわかりやすく書き直したり、小児患者のご家族向けに不安を和らげるトーンにしたり——この調整に時間がかかります。
AIで何ができるか
ChatGPTに 既存の説明資料を渡して「70代の方にも分かるように書き直して」 と頼むだけで、文章の難易度が調整された版が返ってきます。
コピペで使えるプロンプト
以下の患者説明文を、〔対象:70代の高齢者 / 小学生の保護者 / 外国人患者〕にも
分かりやすいように書き直してください。
条件:
- 専門用語には( )で簡単な説明を添える
- 1文を短くする(30字以内を目安)
- 重要な注意点は太字にする
元の説明文:
〔ここに説明文を貼り付け〕
Claudeもおすすめ
患者説明資料のように 自然で柔らかい日本語が求められる文書 は、Claudeのほうが得意な傾向があります。
ChatGPTで構成を作り、Claudeで文章を磨く使い方も効果的です 😊
場面④:医療知識の学習——スキマ時間で効率的に勉強する
看護師の課題
新しい疾患の知識、薬剤の更新情報、看護技術のアップデート—— 勉強しなければいけないのに、日々の業務が忙しすぎて時間が取れない 。
参考書を買っても開けないまま放置してしまうケースは少なくないはずです。
AIで何ができるか
ChatGPTに 「褥瘡ケアの最新のエビデンスを初心者向けに整理して」「糖尿病の看護計画のポイントを5つにまとめて」 と聞くだけで、学習の要点が整理されます。
分からない医学用語もその場で質問すれば、かみ砕いて説明してくれます。
コピペで使えるプロンプト(学習用)
〔疾患名・テーマ〕について、看護師が押さえるべきポイントを
以下の形式で整理してください。
1. 病態の概要(200字以内)
2. 主な症状と観察ポイント(5つ)
3. 看護ケアの要点(5つ)
4. よくある看護師国家試験の出題ポイント(3つ)
5. 参考にすべきガイドライン名(調べるべき出典)
※AIの回答は必ず教科書やガイドラインで裏取りしてください
コピペで使えるプロンプト(看護研究テーマ探し用)
〔所属病棟の種類:例:急性期病棟 / 回復期リハ病棟〕で
取り組みやすい看護研究のテーマを10個提案してください。
条件:
- データ収集が比較的容易なテーマ
- 6ヶ月以内に完了できる規模
- 臨床に直結する実用的なテーマ
ポイント
AIが紹介する 論文名や著者名は架空の場合がある ため、必ずPubMedやCiNiiで実在を確認してください。
AIは「学習の入口」として使い、エビデンスの裏取りは自分で行うのが原則です。
最新の医療情報を出典つきで調べたい場合は Perplexity が特に強いです 📝
場面⑤:勤務表・シフト関連の整理
看護師の課題
シフト調整、希望休の整理、引き継ぎ事項のメモ——看護師長やリーダーは スタッフの勤務調整に多くの時間 を取られます。
AIで何ができるか
ChatGPTに スタッフの希望シフトを入力して「全員の希望をできるだけ反映した日勤・夜勤の割り振り案を出して」 と頼むと、調整案を提示してくれます。
完璧ではありませんが、たたき台として使えば手作業の時間を大幅に減らせます。
ポイント
シフト管理は 最終的に看護師長の判断が必要 。
AIに任せるのは「候補案の洗い出し」まで。
人間関係や体調の配慮は、人の目でしかできません。
患者情報の取り扱い——これだけは絶対に守る

看護師がAIを使う際に 最も重要な注意点 です。
ルール①:患者の個人情報は絶対にAIに入力しない
患者名、カルテ番号、病室番号、生年月日 など、個人を特定できる情報はAIに入力しないでください。
「A氏」「70代男性」「〇〇疾患の患者」のように匿名化して入力するのが鉄則です。
ルール②:所属医療機関のルールを事前に確認する
病院や施設によっては AI利用自体を制限している場合 や、情報管理部門への事前申請が必要な場合があります。
使い始める前に、必ず上司や情報管理部門に確認してください。
ルール③:AIの出力は必ず看護師の目でチェックする
AIは「もっともらしい文章」を返しますが、 医学的に不正確な内容が含まれることがあります 。
特にアセスメント(A)の部分は看護師の専門的判断が必要。AIの出力はあくまで「下書き」です。
要点:患者情報は匿名化。施設のルールを確認。AIの出力は必ず看護師がチェック。この3つを守れば安全に使える
よくある質問
ITが苦手でも使える?
使えます。
ChatGPTは 日本語で話しかけるだけ 。
スマホアプリもあるので、休憩時間にサッと使えます。
無料で使える?
ChatGPT・Claude・Perplexityともに無料プランで基本機能が使えます。
看護記録の下書きや学習には無料版で十分です。
病院でAI使っていいの?
施設によりルールが異なります。
使い始める前に上司や情報管理部門に確認 するのが安全です。
2026年現在、大阪病院のように組織的にAI導入を進める医療機関も出てきており、医療現場でのAI活用は確実に広がっています。
もっとAIを活用したい方へ
看護業務でのAI活用が定着したら、さらに活用の幅を広げてみてください。
- AIで仕事がなくなるか不安な方は → AIで仕事はなくなる?なくなる仕事・残る仕事を初心者向けに解説
- コピペで使えるプロンプトテンプレートが欲しい方は → AIへの指示がうまくなるプロンプトテンプレート10選|コピペですぐ使える
- AIで調べものを効率化したい方は → AIで調べものするなら何がおすすめ?検索・要約・出典確認までできるツール比較
- 介護職がAIを使いこなす方法は → 介護職がAIを使うならどれがおすすめ?記録・ケアプラン・研修の効率化
まとめ|明日、看護記録の下書きを1件ChatGPTに頼んでみる
看護師がAIを活用するためのポイントを改めて整理します。
- 看護師の仕事はAIに奪われない ——だからこそAIを「味方」にすると最強
- 5つの場面 ——看護記録(SOAP)・申し送り・患者説明資料・医療知識学習・シフト整理
- おすすめツール ——迷ったらChatGPT。患者説明資料の日本語はClaude。出典つき調べものはPerplexity
- 患者情報のルール ——個人情報は絶対に入力しない。匿名化が鉄則。施設のルールを確認
- 無料で始められる ——ChatGPT・Claude・Perplexityの無料版で十分
最も簡単な第一歩は、 明日の勤務で看護記録を1件分、ChatGPTにSOAP形式の下書きを頼んでみること です。
観察内容を箇条書きで入力するだけで、整理された記録の下書きが返ってきます。
「記録が終わらなくて帰れない」——この悩みを、AIで終わりにしてください 🙌
この記事のポイントまとめ
- 看護師の仕事はAIに奪われない。だからこそAIを味方にすると最強
- 看護記録(SOAP)・申し送り・患者説明資料・学習・シフト整理の5場面で活用
- ChatGPTが万能。患者説明資料はClaude、出典つき調べものはPerplexityが強い
- 患者情報は絶対にAIに入力しない。匿名化して入力するのが鉄則
- 無料で始められる。まずは看護記録の下書きを1件頼むところから


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